ブラックレター~高嶺の花に恋します~





ゆっくりと開けば、中から出てきたのは一枚の白い便箋だった。

絢子の訝しげな視線が私に刺さる。




(私と、同じ…)




無地の白い便箋。こんなところまで私と同じ。


それを見た私の本能が言う。

これは決して悪戯なんかじゃないと。


理由なんかないけど、確かにそう思った。

それは間違っていないと思う。


ドキンドキンと頭の奥で音が鳴り響いて、鼓動が高まっていく。


これを開ければ答えがわかるのだ。

わかっているからこそ緊張は高まって。

浅くなる呼吸。




(あぁ、どうしよう)




ドキドキしながら、さっきよりもさらにゆっくりと二つ折りのそれを開いていく。


そしてその真ん中に書かれた文字を見た瞬間、私はそれが本物だと確信した。