ブラックレター~高嶺の花に恋します~





絢子の言葉に散々振り回され嫌な想像をしたが、実は初めてこれを見たときから嫌な予感はしなかった。


異質には見えたけれど。

それは決して悪い予感ではなかったのだ。


何故だろうか。

でも、私の直感が大丈夫だといっていた。


普段自分のことにはまったく自信のない私。

でも彼のことに関して、私はわりと自分の直感を信じている。


だって、好きになったときからそうだったから。

私は直感であの人を好きになったから。




(不思議な感じ…)




封筒を手にした今も、嫌な感じはしない。


ドキドキと高まる鼓動。

汗ばむ手のひら。


私の目の前では絢子が真剣な表情でこちらを見つめていて。

そんな絢子に見守られながら、私は手に取った封筒の封を丁寧に切る。