ブラックレター~高嶺の花に恋します~





たぶん、私のことを心配してくれてるんだと思う。




「それかもしくは呪いの手紙」


「怖いこと言うのやめてよ」




訂正。本当は面白がっているだけかもしれない。


っていうか呪いの手紙って…。

そういえば私が書くときもそんなこと言ってなかったっけ。


黒い封筒ってそんな呪いっぽく見えるものなの?

絢子がそういうの好きなだけ?


もしかして私の手紙もそう思われてたりしないよね。

…いや、きっと大丈夫。




「とりあえず、開けてみる?」


「…う、うん」




その言葉に頷いて、私は緊張しながらもそっと封筒に触れる。


その指先がカタカタと震えていたが、見なかったことにした。


自分ではわかってるの。

これは恐怖からくる震えじゃない。

ただ本当に緊張しているだけ。