そしてちらりと黒い封筒に視線を送る。
(なんでこれなんだろ…)
わざわざこの封筒を使ってくるということは、私がこれと似た黒い封筒を毎回使っていることを知っているということなのだろうか。
そうなると、少し怖い。
というか不安が心を過る。
もしかして今までの手紙は本人まで届いていなかったかもしれないと。
そんなことまで思い始めた。
もしそうだったら悲しすぎる。
一年間の私の想いが雨に流されてしまうようだ。
それとも本当にたまたまこの封筒だったのか。
(…でも…)
でもどうしてだろうか。
私の直感は、早くこの封筒を開けたいと願っていた。
そんな私の前で絢子はその綺麗な顔を険しくしかめて封筒を睨み付けている。


