「なにそれ。あんた以外にそんな封筒使う人いるの?料金不足で戻ってきたとか?」
「増税のせいで?そんなまさか」
今まで返ってきたことないよと言い返せば、だよねと神妙な顔付きで頷く絢子。
というかそんな封筒って…。
バカにしてますよね、完全に。
私に失礼だとか思わないんだろうか、この女は。
私はそれを一年も使ってるんだぞ。
格好いいじゃんか、黒い封筒。
…それにしても似ている。
私が使っているあの封筒に。
完全に同じものではないと思うけど、見た感じ紙質も同じように見える。
一体誰宛ての手紙だろうか。
そう思いながら私は郵便受けからそっとそれを取り出した。
まさか本当に料金不足とかいわないよね。
「宛名…私だ」


