ブラックレター~高嶺の花に恋します~





そうだ。これは嫉妬なんだ。

可愛くて綺麗な人は、きっと彼の目にとまるから。

それが羨ましいんだ。


私じゃ、彼の瞳に映るなんて出来やしないから。


そんなことを思いながら二人でじゃれあって歩いていると、あっという間に私の家まで着いた。

家の明かりは点いていない。




「絢子ご飯どうするの?食べてくの?」


「食べてくー!」




今日は家族がみんな外出している。


お父さんとお母さんは泊まり掛けの旅行で、旭は友達の家に泊まるといっていた。


別に家に一人なのを気にしたことはない。

理由もわかっているし、わりとしょっちゅうこういうことはある。


絢子に声をかけてみれば、どうやら絢子は私の家でご飯を食べていくらしい。

ということは絢子の家も誰もいないのか。