ブラックレター~高嶺の花に恋します~





彼を好きな人はたくさんいて。

きっとみんな可愛くて綺麗な人たちで。


それに比べて私ときたら。

ただのデブだ。ちんちくりんだ。


そんな綺麗な人たちの中で私なんかが彼を好きだなんて、申し訳なくなってしまう。

絶対に埋もれてしまう。


だから見たくないのだ。

周りを、羨ましいと思ってしまうから。


なんて汚い感情だろう。


そう心境を暴露した私に絢子はあんぐりと口を開けた。

さすがに引かれただろうか。そう思って俯こうとしたとき。




「かーわーいーいー!」




そう言って再び横から絢子のタックルが襲いかかってきた。

今度のは本気で痛かった。マジで。

倒れそうだったんですけど、絢子さん。




「可愛い子に嫉妬やいちゃうんだ?」




その言葉に頷けば、絢子はさらに腕の力を強めた。苦しい。