「じゃあ次は会いに行くとこだね!」
ようやく興奮がおさまったのか、やっと私から離れてくれた絢子はそう言って一人意気込む。
何故私より絢子のほうが気合いが入っているのだろうか。
本来逆じゃない?
「でもどうやって会うの?」
問題はそこだ。
彼に会うなんてそんなに簡単なことじゃない。
だって世界中には数えきれないくらいの人がいて。
そんな何億の星のような人の中で好きな人に会うなんて難しすぎる。
それに何度も言うようだが、彼は住む世界が違う人間なのだ。
会うどころか、見ることさえ難しい場所にいる人。
そんな人にどうやって会おうというのか。
仮に彼のことを瞳に映すことは出来ても、彼の瞳に映るのは無理だろう。


