ブラックレター~高嶺の花に恋します~





それまではゆっくりお休みなさい。

いままでありがとう。


そう思いながら私はゆっくりと服の裾を撫でた。




「あーあ…その花柄とも暫しのお別れか…!真麻それ似合ってるのに…!」


「あ、ありがとう」




このお洋服は私よりもどちらかというと絢子のお気に入りで(いや、私も気に入ってるけど)。

初めて見せたときから、彼女はこのお洋服を褒めてくれていた。

そして毎年この服とお別れするのを寂しがってくれるのだ。


実はそんな絢子の反応に私はいつも感謝している。


ロリータ服をそうやって思ってくれるのは本当に嬉しい。

ついでに似合うと言ってもらえるのも素直に嬉しい。


この格好でいる自分を認めてもらえているような気がするから。

すごく嬉しい。