「あの時は驚いたよなぁ…衝撃だった」
「…絢子、めちゃくちゃ笑ってたじゃん」
じとっと睨み付けるようにそう言いながら彼女を見れば、そうだっけ?と笑いながらとぼける絢子。
絶対覚えてるくせに。
まぁ、別にいいけどさ。
(でも…あれから一年か…)
あれから一年。
あの時よりも少し伸びた髪が、その時間の長さを物語っている。
伸びた髪の分、私の想いは増えるばかりだ。
一年前のあの日より、私は確実に彼を好きになっている。
ずっとずっと好きになっている。
悲しくなるくらい、好きになっている。
どうしてだろうか。
好きが増えれば増えるほど、彼を思って流れる涙も増えた気がするのは。
何度涙の夜を越えたのだろうか。
あと何度繰り返すのだろう。


