瞳の中の碧い海

「お待たせ」



部活が終わって
着替えた健ちゃんが

翼の元に駆け寄ってくる。


いつの間にか

健ちゃんは背が伸びて

ずっと続けている
サッカーのおかげか
逞しい体つきになっていた。


日に焼けて黒くなった肌に
白い歯が目立つ。


声もいつからか低くなって
すっかり男の子に
なってしまった。


広くなった背中のあとを
少し遅れてついて歩くけど


男の子になってしまった
健ちゃんを

少し怖いと思い始めていた。




それは


少し前に
こんなことがあったからだ。