「Yesです。 さっきの答え」 少し驚いたように 棗がこちらを見る。 彼がまた ゆっくり距離を詰めてきたのは 分かっていたけど この景色と 贅沢なくらい輝く 夕陽をバックに こんな美しい人に 詰め寄られて 拒否できる人がいたら お目にかかりたいくらいだ。 ついさっき 初めて話した人に 生まれて初めての キスをされている。 メントールの 煙草の匂いがする。 他人の唇って 温かいんだな と思った。 太陽が 水平線に引っかかっていて もうすぐ陽が暮れてしまう。