瞳の中の碧い海




「いや別に」


なんだか照れくさくなって
目を逸らしてしまった。


「翼は男と付き合ったこと
     ないでしょ?」


「はい、ないです」


彼はそれを聞いて
ただ鼻で笑っただけだった。


バカにされてるなと
思ったけど
事実だから仕方がない。


「あいつがいる限り
 翼に男は出来ないね。
 もう諦めて
 あいつと付き合えば?」


『あいつ』とは
健ちゃんのことだろう。


それも今まで何度も
周りに言われてきた事だ。


自分でもいずれそうなるような
気さえするけれど…


なぜかその気にはなれない。