春のうららかな
お天気のよい日だけど
平日だし
日没も近いので
ここには他に誰も人がいない。
2人で手を繋いで
この景色を独占していた。
私は
隣で一緒に海を見ている人に
目をやった。
その人は
やっぱりとても美しい。
きれいな景色を見ても
ニコリともしないその横顔は
全体的に
色素がとても薄い感じ。
傾きかけてきた日に
栗色の髪が透けて
金髪に見える。
この髪の色は
地毛なんだろうか?
そんなことを考えていると
彼がゆっくりと
距離を詰めてきた。
体に急に緊張感が走る。
「なに見とれてんの」
そう言ってこちらを見る
大きな瞳の色も
緑がかった琥珀色をしていて
とても薄い。
そして彼は
自分がきれいなことを
よく知っているらしい。

