停電してた時間は 1分もなかったと思う。 だけどすごく長く感じた。 明かりがついたときにはもう 棗は普通の状態じゃなかった。 息は絶え絶えになり 顔は真っ青になっている。 健ちゃん達が それをただ呆然と見ている。 私は必死で彼を支え 大丈夫だからと繰り返したが 浅木教授が冷静に 救急車を手配してしまった。 「すぐ治まりますから… やめてください!」 そう叫んだけど 届かなかった。 私は無力だ。 とうとう 彼が一番怖れていたことが 起きてしまった。