瞳の中の碧い海



ママが言っていたことは
当たっていた。


これは棗が
義母に強制されていた
『外でよい子を演じる』こと
の名残だ。


このマンションの中で
二人のときにだけ


だらしない格好を見せたり


時折心からの笑顔を
見せるようになった。


好きな人が幸せそうに
笑ってくれると


それだけで嬉しい。


そんな気持ちを初めて知った。


この部屋の中でだけ
見られるそんな姿は


あおいさんと過ごした
幸せだった頃の彼に
近いんじゃないだろうか。


その相手に
私を選んでくれただけで


それだけで嬉しい。



「もう冬休みも終わりだね…」


「終わったらテストだな」


「でもそれが終われば春休み…
  大学ってホント
    いいところだね!」