瞳の中の碧い海



「翼は純真だから
 親父さんのことが
 まだ許せないんだろうな」


「そう思う?」


「そうだろう。
 それって男性不信だろ」


健ちゃんは
純真だと言ったけれど

多分それは
違うと思った。


パパが天使だと言ったから
小さな翼は
天使のように
純真を装っていた。


健ちゃんの家族が
可哀相な子だと言ったから
傷ついて可哀相な翼を演じた。


健ちゃんが望むから
健ちゃんに依存して生きる翼を
演じているような気がする。


でも本当はもう
誰のことも信用せず


流れに身を任せているだけだ。


そんな自分は
誰よりも
汚れているような気がする。


本当の自分って一体誰なの?


そんなことを考えていた。