瞳の中の碧い海




もう来るな と
言ったのを無視して


私は棗のところに通う。



相変わらず
素っ気無いけど


それ以降来るなとは
言わなかったから。



「なんでこんな朝っぱらから…
     テンション高いし」



ドアを開けてすぐに棗は
またベッドに戻っていく。



「だって夏休みだし
 天気いいし嬉しくって!」


「暑いし…やる気出ない」


「エアコンのある部屋に
 住んでて何言ってるのよ!」


「北海道って
 夏暑いと思わなかった…」



ダルそうに
ベッドで横になっている。


私も勝手に隣に寝転がる。



「翼、これあげる」



手渡されたのは
合鍵だった。



「何これ!」


「…見りゃわかるでしょ…」


「もらってもいいの?」


「だから
 朝起こさないでくれ…」


「キャー嬉しい!
  ありがとう!」


「うぜぇー…」