瞳の中の碧い海



「翼はもうメシ食ったの?」


「まだよ」


「ウチ来て食えば?
 なんかあると思うよ」


「大丈夫。昨日の残りが
 あるから片付けないと」



翼が独りで
わびしい夕食を摂る間


健ちゃんは黙って
テレビを観ている。


今までもずっと
そんなのが当たり前だった。



こんなに離れ離れなのは
初めてかもしれない。



「…翼は来年、
 ウチの学校来るよな?」


「どうして?
 そうなればいいけどさ」


「翼がいないと寂しいよ」


「そう?家も隣だし
 学校が違っても
 変わらないでしょ」



そして


また沈黙になる。