瞳の中の碧い海



どこでどうききつけたのか
S大内は
棗の起こした事故の噂で
持ちきりだった。



父親はあまり事故の事を
公にしたくなかったようで
勝手に退学届けを出した。



半年に及ぶ入院生活
棗は次第に
全て諦めるように
なっていった。



死ぬことさえも。



病院では
事故後のショックから
回復したフリをした。


本当は


事故の映像が蘇る
フラッシュバックが
続いていたし


パニックへの恐怖も
残っているけど


その引き金が
悪天候と雷なのは
途中から自分で
気が付いていた。


医師の前で
調子がいいと
嘘を吐き続けた。


一刻も早く
ここから出たかった。