今日もずっと独りで過ごし
誰もいない家の
鍵を開けようとしていると
健ちゃんが家から出てきた。
「翼、元気か?」
その声はひどく
懐かしくさえ感じた。
「健ちゃんこそ
学校はどう?」
「まだ慣れるのに手一杯でさ…
でもいい学校だぜ?
来年はここに来いよな?」
「サッカー部に入ったの?」
「いや、大学では入らないで
札幌のクラブチームに
入ることにした」
他愛ない会話をして
家の中に入っていく。
健ちゃんが勝手に
家のテレビをつける。
小さい頃から
お互いの家を
行き来しているので
どこに何があるかなんて
もう全て知っている。

