瞳の中の碧い海



悪友たちを残して
あおいの手を引き店を出る。


やれやれ…と棗は思った。


「あんた、名前は?」


「あおいといいます。
 仲良くしてくださいね?」


「あおいって本名なの?」


「田中 あおいです」



やっぱり
この女ヤバいな…。



「腹減ってるか?」


「はい、
 おなかすきました」


「何が食べたい?」


「何でもよく食べます」


「…嫌いな物とか、ないの」


「何でもよく食べます」


「あ、そう…」



棗は大きく溜息を吐いた。




ご飯を食べさせてやると
あおいはその細い身体で
驚くほど沢山食べた。


よっぽど
お腹が空いていたようだ。


「あおい、こぼしてるぞ?」


「あっ、食べ物を
 粗末にしてはいけません」



棗は頬杖をついて
また大きな溜息を吐いた。