瞳の中の碧い海



「翼、愛してるよ。

 オレほど翼のことを

 愛してる奴はいない」



健ちゃんの声を
ぼうっとしながら聞いていた。


でも


この言葉で急に目が覚めた。



「やめて、放して!」


「翼…」


健ちゃんはとても
悲しそうな顔をしているが


拒絶せずにはいられなかった。



「男の人の言う
 
 『愛してる』なんて

 絶対信用しないわ!」


知らないうちに
翼の瞳からは
涙が零れ落ちていた。



「お願いだから…
 もう出て行って!!」