瞳の中の碧い海





「北海道には
 台風が来ないって
    聞いてたのに」



棗はそう言って
面白くなさげな顔をする。


「ねぇ、音楽かけようよ?
 大っきい音で聞こうよ」



部屋はカーテンを
閉め切っているから


雷鳴が聞こえなければ
回避できるかもしれない。


ケーブルテレビの
音楽番組を大音量でかけた。


なるべく明るい楽しい話を
するよう努めた。



それでも彼の不安は消えない。