「ホントだって。ずっとずっと 大切にしてきたじゃないか。 オレはおまえの 父ちゃんとは違う。 翼のこと 裏切ったりしないから…」 健ちゃんが 強く腕を引いてきて 翼は胸に抱きしめられた。 いつかこんな日が来るような 気がしていたけど 嬉しくはなかった。 本当に 大切にされて きたのだろうか? 大切にされるって こういうこと? 心が不安の中に 落ちてゆくのを 感じていた。