1時間ほど混乱が続いた後 少しずつ 呼吸が落ち着いてきた。 もうお願いだから 雷が鳴りませんように…。 その間ずっと棗を抱きしめ もう大丈夫と声を掛けていた。 吸って、吐いて、と 呼吸の指示も出していた。 他にどうすればいいのか 分からない。 「もうどこにも行かないで」 私の胸で 彼はそう言った。 それは 私に言ったのでは ないような気がした。