瞳の中の碧い海


玄関のチャイムが鳴って
誰かが家に来た。



健ちゃんだった。


酷く不機嫌な様子で


「一緒に
 帰ってきた奴誰だよ」



と言った。



「同じクラスの橋本君だよ」


「知らねぇな。どんな奴?」


「そんな目立つ人じゃ
 ないけど…いい人だよ」


「付き合ってんのかよ!?」



健ちゃんが


何を怒っているのか
分からない。