瞳の中の碧い海


入学してからも相変わらず
翼は健ちゃんと一緒だった。


「翼は飲み物、
 ミルクティーだよな?」


健ちゃんがそう言って
ミルクティーの缶を渡す。


本当はみんなと同じに
翼もコーヒーで
良かったんだけど。


「あいつらは
 いい奴じゃないから
 翼も口利かない方がいいぜ」


「翼は青より
 ピンクが好きだよな?」



健ちゃんがそう言う度
翼は黙ってそれに従った。



健ちゃんの中には
彼の理想の翼の姿があって


翼は
彼の期待に沿うよう


それを演じているような
気がする。