瞳の中の碧い海




棗は私の手を
無言で引っ張って
また車に戻った。


「どこ行くの?」


「もう授業どころ
  じゃないでしょ」


深緑のジャガーが
さっき上って来たばかりの坂を
あっという間に下ってゆく。


「殴られたのは
 計算外だったな…
   大丈夫か?」


「うん…大丈夫」


「しかし気分悪いな。
 天気いいし
 海でも見に行こうか」



ジャガーが国道5号線を
札幌とは逆方向に
曲がっていった。