「何とか言え!!」
健ちゃんの
あまりの怒鳴り声に
食堂から
野次馬が出てきてしまった。
掴んだ腕を
激しく揺さぶられている。
怖いやら恥ずかしいやらで
何とかこの場を逃げたかった。
「け、健ちゃんには
関係ない!」
「やっぱり早坂と
一緒にいたんだな!?」
「もう放っといて!」
「何言ってんだてめぇ、
ふざけんな!!」
バシッと
大きな音がして
耳が少しだけキーンとする。
男の人に初めて
手を上げられた。
頬をぶたれて
頭がくらくらする。
何の権利があって
そこまでするの?
健ちゃんの顔を
にらみつけたその肩越しに
棗の姿が見えた。
最悪だ…。

