瞳の中の碧い海




次の日から


翼と口を利いてくれる女子は
1人もいなくなった。



健ちゃんがその後
彼女の由紀ちゃんに



「オレにとって
  翼は特別だから」

と言って
改めて別れを告げたからだ。


皆に無視され
一人ぼっちの翼を
さらに健ちゃんは気にかける。



それがまた皆は気に入らない。



翼はどんどん
1人になっていく。



健ちゃんは孤立する翼を
さらに気遣う…悪循環。



「オレは翼を
 1人にしないからな」


健ちゃんは
そう言うけれど


彼の中で翼は
常に可哀相な子でいなければ
ならないような気がしていた。