(うぉりゃー!!かかってこいおまえら!!)

そんな毎日を送っていた俺
夜は仲間とバイクで暴走と喧嘩
最高に輝いている瞬間
走っているときは風が心地よく、生きている瞬間を感じられる

そして何よりも本音で本気で時間を費やせる

中途半端が嫌いな俺は
たとえ世間からの評判が悪いと思われても
冷たい目で見られても
まったく気にもとめなかった

逆に世間に対して俺は半端な奴ばかりだと感じていた

熱いこの気持ち
誰にも負けないと
何かに挑む続けるかのような毎日の生き方…

高校生の俺、シンジは
先輩達と夜、毎日のように集まっては

バイクで暴走行為と喧嘩を繰り返していた…

特に何も考えていない
ただ目の前の気持ちが入るものに全力で時間を費やす事が生き甲斐だ

気持ちが入らないものにはまったく興味がない
それが良い悪いは別にして

俺たちの仲間に今日は何をする??など言うスキもないぐらいに

熱い気持ちを感じるままに従ってそれに生きていた

そしてもう1つ俺は好きな事があった
歌を歌うことだ
色々な歌手の音楽を聴いては
自分なりに歌っていた
これも生きてる瞬間を味わえる

その中でも好きなジャンルはロックだった

色々なロックバンドを聴いては仲間と一緒にカラオケ

1日の生活のスタイルがだいたい固まっていた頃だ

朝、学校、夕方はカラオケ、夜は、バイクで走る

そんな毎日を続けていた

情熱的な俺は同時に飽き性な性格も否めない
完全燃焼したら次に行ってしまう性格だ

こんな毎日を繰り返していた俺はだんだん憂鬱な気持ちにもなっていった

飽きてきたのもあるが
言い方を変えればパターン化した毎日に慣れてきた

こうなるとまた次の熱い気持ちを込めれるものを探そうとする

いや
自動的に見つかる
そんなものだ

そして俺は恋もしていた

それが恋とは言えるかわからないが

気になる存在の人がいたのだ

その存在の人はバレー部の先輩だった

恋?
恋とはどんな感覚かもわからないまま恋をしていた

しかし
毎日、毎日、その人の事を考えている

笑顔の印象がやたらと脳裏に焼き付いている
その場面が頭を何回もリピートしている

(話しがしてみたい)

そんな風に犯された頭の中は気持ちを押さえられないまま
暴走仲間に頼んで接近できるように頼んだ

俺は
自分から異性に話し掛ける勇気がなく

仲間に頼んで接点を持てるように利用していたのだ

もしダメならカッコ悪いから…

気になった異性に対しては緊張して何を話していいかわからなくなるから

まさに気取っているのだろう

そしてバイク仲間がバレー部の他の部員と仲がよかったりもして

その子に頼んで聞いてもらうようにしてもらった

その結果

その好きになったバレー部の先輩は他に好きな人がいるらしい

俺はその時点で考えた
それでも告白しようかと考えたり
少しは仲良くなろうかと思ったりもしたが

相手を気にしすぎるあまりに
俺は諦めた?逃げた?
心の核はカッコ悪いが根付いていたからだろう

俺は幼稚園から幼なじみのまいちゃんという子が唯一仲の良い異性だった

その子が俺の事が幼稚園からずっと好きだった事
後に
俺と男女の関係を持つことになるとはこの時点ではまだわからないが

なんでも話せる子だった

しかも俺がバレー部の先輩の事を気になってる事を誰から聞いたのかまいちゃんはすでに知っていた

先輩を諦めた日の夜に、まいちゃんから電話がかかってきて

(シンジって好きな人ができたらしいじゃん)

俺は
(なんで知ってんだよ?!)
まいちゃんは
(あの人やめたほうがいいよ)
俺は
(バカ!お前には関係ないわ)

まいちゃんは
((笑))

そんな会話をしながら
俺は諦めた事だけをまいちゃんに伝えて電話を切った

その翌朝学校の廊下でまいちゃんとすれ違ってまいちゃんは満面の笑みを浮かべながら
(おはよう!人生は色々あるけどお互いがんばろう!(笑))

俺は
(やかましい!)

まいちゃんは俺の頭を笑いながら撫でていった

(くそ!)

そう思いながら俺はまた夜に仲間とバイクで暴走した

しかしその暴走の走りも終わりに近づいているとは

一本のギターと出会ってまた人生が変わっていくとは…

そんな事も知らずに
爆音で蛇行運転を繰り返していた…