教えてくれたのは、あなたでした




「そろそろ帰ろっか」

そう言い、席を立つ。


すると、「浩多…!」

力強く、でもどこか寂しげな声で呼ばれた。


「なに?」



しばらくの沈黙の後

「戻って来て…くれないかな…?」

弱々しく、母さんが俺に言った。


一瞬頭がフリーズして、言っている意味が分からなかった。

戻る?
それはつまり、母さんと一緒に暮らすってこと?
てことは北海道に行かなきゃいけない。

本井や後藤と、離れることになるんだよな…。


「うん、」
そう言いたいのに、言えなくて。

「…考えとく、」
やっと出たのはこれだった。