教室へ入ると、聞き慣れた声が聞こえた。

「瑠璃ーーーーっ!やった!一緒のクラス!やった!」

中学の時からの親友の清佳が、歓声を上げて私に抱きつく。

「えっ、うそ?一緒?やったーぁ!!」

同じ高校に来ていることは知っていたが、一年の時は違うクラスだったので、
まさか同じクラスになれるとは思ってもみなかった。

二年生は楽しく過ごせそうだ。

私が席に座ると、清佳は前の席に座った。

「ねぇ、彼氏とか出来たの?」

「ううん、全然」

清佳は昔から、恋バナが大好きで
よく恋愛経験のない私にも、
何組の誰と誰が付き合っているとか、
話をたくさん聞かせてくれた。

「なんだぁ、瑠璃にもそろそろ出来たかなって思ったのにぃー」

「……いきなりそういう話題振ってくるってことは、清佳 彼氏出来たんだ?」

すると清佳は、頬を赤らめて少し俯いた。

「うん、まあね…」

「へぇー!どんな人?」

清佳は携帯を開き、写真を見せてくれた。

「バスケット部なんだ…私が一目惚れしたの」

「へぇ、かっこいいね」

すると清佳は嬉しそうに笑った。