可愛い弟くん



連れて来られたのは、体育館裏。

体育館から直接外に行けるようになっている。

その階段に腰掛けた。

「瑠璃………」

私は嗚咽を漏らしながら泣いた。






「大丈夫?落ち着いた?」

「うん、ごめんね…」

しばらく泣くとすっきりとし、
何より清佳がそばに居てくれたのがとても安心した。

私は今起こったことを清佳に話した。

「誰が何でやったのか、今でもわからない…」

「そっか、辛かったらいつでも言ってね。いつでも瑠璃の味方だよ!」

そうやって優しく微笑んだ清佳を見ると、また涙が滲んだ。

「……あ、ありが、と………」



そして私はそのまま早退した。

授業が始まってから荷物を取りに行き、
清佳が先生に気分が悪いと伝えてくれた。