高校まで、そう遠くない道を歩く。

真新しい制服に身を包み、新入生と思われる子達が、通り過ぎて行く。

「そっか、今日から後輩ができるんだ…」

校門を通る時、ふと視線を感じ、顔を上げる。

校舎の窓から、こちらを見つめている影があった。

あの教室は…新入生だろうか。

黒髪の男の子が、こちらを見ている。

目が合い、にこりと笑った。

女の子のようにも見える、可愛らしい笑顔。