可愛い弟くん



「きゃっ⁉︎⁉︎」

目に映ったモノに驚き、尻もちをついてしまった。

その拍子に足が机の脚に引っかかってしまい、机が私に傾いた。

なんとか机が倒れて来るのを防ぐ事は出来たが、
傾いた机の中から、ボトボトと
私の脚に落ちてくる、



血まみれの、ネズミ………



「きゃぁぁあっ‼︎‼︎」

悲鳴を上げ、立ち上がると、教室中に
爆発するような笑い声が響いた。

その中で私は必死にネズミをはたき落とした。

目に涙が滲む。

「瑠璃?」

清佳の声が聞こえた。

ぼやける視界の中、必死に清佳を探す。

誰かが私の腕を引いた。

「こっち‼︎‼︎」

清佳だった。