「……しゅ、しゅん……」

小さな呟きと共に、ワイシャツの裾が引っ張られた。

向くと、彼女が、助けを求めるように俺を見ていた。

その潤んだ目と視線が交わったときに、
心臓がきつく締め付けられた。

「二人とも、教室戻ってよ」

悠太がにっこりと笑う。

「しょうがないなぁ。ほら、いくよ高ちゃん」

悠太はどうやら察してくれたようで、
高弘を無理矢理校舎に押し込んだ。

「じょあ、また後でね。俊ちゃん」

そして、二人っきりになった屋上。