そっと、目を開ける。

窓から差し込んだ朝日が栗色の巻き毛をきらきらと照らしている。

開いた窓から、春の優しい風か頬を撫でた。



とても、美しい朝。



哀川 瑠璃(あいかわ るり)は今日から高校二年生だ。

「夢、かぁ…」

何か、懐かしい夢を見た気がする…が
覚えていない。

勢いをつけて起き上がり、制服に着替える。

久しぶりに着た制服。

なんだか懐かしい。

リビングへ行くと、いつもと同じく、誰もいない。

お父さんは、私が寝ている時間帯に帰ってきて、私が学校に行ってる間に起きて、仕事へ向かう。

会うことは滅多にない。

いつも通り、お父さんの分の朝食も用意して、学校へ向かう。