"妄想"。いや"理想"。

俺の夢はいつも同じ

《ひろちゃん、好き》

毎回、夢のなかの女の子に言われる言葉
自分でも気持ち悪くなるような妄想だ

だが、まさにその夢の女の子が目の前にいるのだ
僕の妄想が…理想が…

「あっあの、もしかして同じクラスの伊藤くん?」

「えっ!あっうん」

思考が現実に戻される

「わっ私、桐島です」

あの転校生!?
顔をよくみないままだったから分からなかったわけだ

「よろしくね」

「おっおう。よろしく」

表面ではクールに済ましているが内心はバクバクしている

"な、なんで、あの子なんだ!"
声も、顔も、瓜二つ

頭がついていけてない