『急な出張が入ったから、明日は会えなくなった』



隆太から連絡があったのは昨日、木曜日の夜のこと。金曜日の朝イチに出発、土曜日も仕事をするから、帰宅予定は土曜日の深夜になりそうだと言っていた。



隆太が出張に出掛けるのは、ごく当たり前のこと。何も疑うようなことじゃないけれど。最近、とくに出張が多いような気がしていた。



不思議なことに、嫌な予感に限って当たるもの。できれば、当たってほしくなかったんだけど。



土曜日の朝九時頃、隆太の部屋に行った。合鍵をもらっていたから、隆太が帰るまでに部屋の掃除をして、ご飯を作っておいてあげようと。



そうしたら、出張に出かけているはずの隆太が居た。知らない女の子に腕枕をしながら爆睡。



先に起きたのは女の子。
私より若くて、ぱっちりとした大きな目を見開いて小動物のように震えていた。