わくわく。
オシャレしてきたつもりなんだけど変かな?

鏡でチェックしていると後ろから祐太さんの声がした。
「三咲さん!今日雨で残念でしたね。」
「いえ」
っあー!
いえ、って…。なんでもっと気の利いた返事が出来ないんだろう。あたしは。

素っ気ない返事にも祐太さんは優しい。
「良かった」
というとお店のドアを開けてくれた。
なんて紳士なんの…。

こんな扱いを受けるのは初めてで舞い上がった。

「祐太さんってIT企業で働いているんでしたよね?」「はい」
「っは~。凄ーい」

なんでこんな素敵な人があたしなんかに話し掛けてくれたんだろう。

「私そういうの全然ダメで。
だからこそ憧れるっていうか」
「人には得意なことと苦手なことがあるもんですよ」「祐太さんには苦手なことなんて無さそうだけどなぁ」

しまった。またわたし人の事よく知らないのに…。