【短編】束縛彼氏

「あのさ……」

真剣な顔で、真っ直ぐみる北大路くん。

「良治、昔付き合ってた女いるんだけど」

「え?」

昔女がいたことよりも、

急にそんな話をしだした北大路くんにびっくりした。

「この話、していいのかわからないけど……亜子ちゃんには知っといたほうがいいと思って」


「うん……」


心臓は、激しく動いていた。


今から、なにを話すのか。

なにを聞くのか。


良治の、過去。



あたしの知らない……