「何これ、超美味いんだけど。どこの? なぁ、どこのクッキーだよ?」
「うるさい」
私が珈琲を淹れる間に、浅黄はクッキーを平らげてしまった。
「私の分を残しておこうっていう気遣いはないわけ?」
「おまえが太らないようにっていう気遣いならあるよ」
「余計なお世話」
私は二人分のマグカップをテーブルに置く。
「明日の昼飯、オムライス屋行きてぇ」
「明日の昼? 私午前中バイトだから無理」
「は? 明日バイト? 聞いてねぇよ」
浅黄の声色が不機嫌になったけど、そんなのはどうでもよかった。
「あんたはバイトしないの?」
「俺はレポートで忙しいから」
「コピペのレポートが?」
「うっせぇなぁ」
うざったそうに浅黄は言うと、リモコンの電源を押す。
「ああ、ちょっと待って、今の番組見せてよ」
「無理」
浅黄はリモコンを独り占めするばかりだった。
