でもちょっと待った。彰吾は「うちで」と言った。ということは……。 「ああ、お向かいの彰吾くんでしょ。あのホテルに勤めているわよ」 案の定お母さんはそう言った。 「あのホテルは老舗だし、良さそうなホテルよ。悪い話でもないんじゃない?」 「うん……」 「浅黄くんが言ってたわよ。『楓の奴最近脱け殻みたいだ』って。バイトでもしてみたら?」 あのやろう、余計なこと言いやがって。誰が脱け殻だ。ふざけんな。 「……わかった。とりあえず面接受けてみる」