そのバイトを募集しているのは、海辺の老舗ホテルだった。
「楓ぇ、おーい」
アホみたいな声色で浅黄が呼ぶのもお構い無しで、私はリビングのソファーに横たわってその紙を見つめた。
「何それ? バイト募集? なぁ、楓」
「うるさい。家に帰れ」
「チャーハン食いてぇ」
「帰省してんだから私に頼らないでよ」
「……んだよ。使えねぇなぁ」
そのバイトの内容はホテルの清掃業務だ。そして時給がとんでもない金額だった。
「楓、帰省してもバイトかよ。ほんと、金が好きだよなぁ」
これはしばらく悩むことにしよう。
メニュー