ごめんね、佐中くん。

「べ、ベランダから落ちそうだからそっちに行けない」

家が隣同士といってもベランダとベランダの間は空いてるわけで

「あー、もう。」

そう、いいながら佐中くんは私の部屋まできてくれた。

「しっかり捕まっててよ、落ちても知らないからね」


え、え!?佐中くん、何をするつもり?

そう思っていたら私は佐中くんに抱きしめられたまま佐中くん家のベランダに着地していた。

佐中くんって見た目細いけど力あるんだなぁ。なんてみていたら

「さ、佐中くん…」

「女の目でみないで。気持ち悪い」

「………」

「前島の親帰ってきたら、自分家に帰ってよね」

「う、うっす」


初めて見る佐中くんの部屋はいたってシンプルだった
引っ越してきたばっかりなのか荷物が少なく佐中くんらしいっちゃ佐中くんらしい部屋である