誰もいない、真っ暗な路地裏。 そこに、私の足音だけが響く。 でも、少し進むと他の人の足音も重なって。 それに気づいた時は遅かった。 「君さ、高校生くらいかなー?」 にやにや、としながらこっちに近づいてくる気持ち悪い人。 慣れた。 「ん、そうだけど」 けど、慣れすぎたかもしれない。 こんな世界、踏み入れなきゃ良かった。 でも、こうでもしないと私が壊れちゃいそうで。 怖くて。寂しくて。