声の方を振り向くと、そこにいたのは一人の女の子だった。
白い肌に、肩上で切り揃えた艶のある紺青の髪が似合う彼女は、知的美人という言葉がよく似合う容貌をしていた。
「そうだけど…お前は?」
「私は新堂 沙優。ていうか隣の名前くらい見ておきなさいよ」
「え、あ…ほんとだ」
若干睨まれて座席表を確かめると、そこには確かに『桐生 亜芽』の横に『新堂沙優』の文字。
「沙優っていうんだな」
「ええ。あなたの名前は珍しいわね」
「そうかな?まあとにかく、よろしくなっ沙優!」
私はニッと笑って沙優に手を差し出す。
「沙優って…まあいいわ。こちらこそよろしく、学年二位の桐生さん」
沙優は綺麗に微笑んで、その華奢な手で私のそれを握り返した。
だが、共に吐かれた言葉でピシッと固まる私。
「…亜芽でいいぞ。てか、今、二位って…」
「ええ、クラス表に書いてあったじゃない。二位って」
「い、いやそうなんだけど…」
「何か不満でもあるの?」
「不満…というか、嫌なんだよ。二位って言われんの」
