あの日


家に帰った俺は課題を取り出す。






今日の課題は俺の一番苦手な数学で…








「やる気出ねぇや。」









思わず、そうこぼす。









そういや、今までなら由芽がしてくれてたな。











俺は由芽とすごく仲良かった。












しかも、あいつは頭がよくて、特に数学が得意だった。








だから、いつも頼ってたんだ。










そこまで考えて、ふっと笑った。









自分から遠ざけたんだ。












「仕方ねぇ。やるか…。」











そう言って筆箱を開けた瞬間、目に止まった四つ折りの紙。










俺はそれを手に取り、そっと開く。








俺は開いた瞬間、言葉を失った。










書いた人の名前なんてどこにも書いてないけど、そこに書かれているのは今まで何度も見てきた懐かしい字。









紛れもなく由芽の字だった。